私が総合病院に勤務していたときは、外来ができる日や検査ができる日が限られており、内視鏡検査を受けられる患者様に内視鏡検査の定期受診の重要性を訴えながらも、医療を提供しきれていないことがもどかしい時期がありました。
そこで、1人1人の患者様にもっと寄り添い、もっと内視鏡検査を納得した形で提供することを目的に2016年5月に医療法人社団MBSの一院目となる湘南いしぐろクリニックを茅ヶ崎に開業しました。
内視鏡クリニックとしてスタートした私たちMBSは、消化器専門医療機関として『胃がん大腸がんの早期発見』を目的としたクリニック運営をしてきました。総合病院に勤務していたときと比べて、患者様に寄り添える環境が整い、納得のいく内視鏡検査の提供や安心して定期受診ができる環境を作ることができました。
しかし、消化器がんは早期に発見することができれば救える命が沢山ある中で、進行してしまってから見つかってしまうがんがそれでも多く見つかってしまう現状の内視鏡業界・医療業界の実態を嘆き、そして消化器専門クリニックとしてできる地域医療への貢献に限界を感じていました。
また、患者様に対して寄り添うことを大切にしても、消化器専門の医療機関としての対応だけでは消化器がん以外のがんが見つかったときに何もできず、かかりつけ医として悔しい思いを持ちました。
そこで、当法人では本当に私たちが納得できる医療の提供、そして患者様にとことん寄り添うことができる医療の提供を目指し、他のがんの診察・発見を目的とした人間ドック・健診センターを作り、更にがんになり余命を意識しながら生きていく患者様にも寄り添えるようにするために訪問診療部門を立ち上げました。
私たちは 『あらゆる疾患を発見する予防医療(人間ドック・健診)』 『内科を中心としたかかりつけ診療(保険診察)』 『全ての人の命を見届ける在宅診療』 この3本の矢を医療法人の柱として法人運営を行っています。全ての患者様の人生や症状に親身に寄り添いきることを法人理念としてこれからも大切にしていきます。
この3本の矢が綺麗に連携をすることで、例えば気軽に健診を受けてくださった方に通院が必要になるような病気が発覚した際に、そのまま当院で内科診察・通院をすぐに始めることができます。
他にも、内視鏡検査中に万が一進行がんが見つかってしまったとしても、そのまま訪問診療を行いながら在宅での治療に専念することができます。長くかかりつけ診察をさせていただいている患者様の場合、高齢になるにつれて通院が難しくなる方もいらっしゃいますが、もちろん訪問診療を通してかかりつけ診察を続けることができます。
全ての医療を一気通貫で行えることこそが患者様にとって最大の安心であり、この3本の矢を1人でも多くの方に届けていきたいです。